ミワケースロック

マンションの出入口ドアや電子錠と組み合わせた強化ガラスドアなどに使われているのがミワのAHTバックセットである。
この製品は現在廃番となっているため、万が一故障した場合には代替品としてADシリーズの鍵を使用することになっている。
しかし、これには一点だけ問題がある。
AHとADではケースロックの深みが異なるため、狭い框扉であった場合はAD錠がその箇所に合わない可能性があるのだ。
AHは現行品のADより小さくなっている。同じ箇所でもぴったりとは収まらないのである。
特にバックセットが34mmの狭い框扉のガラスドアであったり、パンチングパネルドアなどであったら扉によって加工に施しようがない可能性がある。取替え工事ができなくなってしまう。

したがって、廃盤品であるAH錠をどうにかして用意して対応しなくてはならなくなる。

メーカーにオーダーすれば時間はかかってもなんとか取り寄せることができる。しかし、そのうちメーカーでも在庫がなくなって完全に対応できなくなってしまう可能性がある。実に鍵屋泣かせの部品である。

鍵屋をしているとこのような在庫の悩みが非常に多い。
どの部品をどれだけ用意しておくべきかというのが難しいのである。
もう使うこともないかもしれないけど廃番だから大切にとって置かなければいけない部品やシリンダーも多い。メーカーに取り寄せるのに時間がかかるから出番は少なくても万が一の時のためにちゃんと在庫を用意して置かなければいけないものなどがあったりするのだ。

ライオンズマンション

マンションの大手である大京のライオンズマンションで一時期よく使用されていたのがミワ社のECシリンダーである。
この鍵は特徴的なもので、マグネットとピンで構成されている。

昔は4本ピンであったが、現在では安全性を考慮して改良され、6ピンが採用されている。

しかし、昔の4ピンのシリンダーを未だに使っている人も多い。
関東圏でいうと築10年から20年ほど経過しているライオンズマンションに入居している方は旧式のシリンダーを使用している可能性が高い。

しかし、旧式か新式かどうかを見分けるのは素人には難しいものである。見た目には違いがわからないからだ。
鍵の見た目が同じでも種類が複数ある。合鍵をつくろうと思っているのならきちんと見分けられるしっかりした鍵屋に持ち込むことをおすすめする。

ECシリンダーの合鍵を作成してもらう場合、時間は大体30分から1時間ほどかかることが多い。
もし防犯的にライオンズマンションの築20年代前後のものが脆弱であるということを窃盗団などに知られたら集中的に狙われる可能性もある。

マンション一棟に忍び込めればその建物内に使われているのはすべて同じミワの鍵ということになる。そのシリンダーに対応したピッキング道具を持っていれば留守宅に何軒も忍び込んで窃盗を働くことができる。窃盗団の格好の餌食になってしまう。
ライオンズマンションに住んでいて何年も鍵を交換したことがないという人はなるべく早く鍵の交換を鍵屋に頼むようにしよう。

YKKのれん樹

YKKの人気引き戸シリーズ「れん樹」について紹介する。
この引戸はオプションで引き手ハンドルを大型のバーハンドルに選定することができる。
最近は各社でバリアフリー商品の引き戸の開発を進めている。
引き戸の鍵も鍵をかけやすいように大型化している傾向にある。
YKKだけではなくトステムのK3やK6シリーズ、PGシリーズなどもこれと同じような傾向がある。

これらの引き戸は鍵を紛失して交換したいという場合に少し問題がある。
ひとつは戸先錠と召し合い錠がセットになっているため、原則的には局部交換が対応できない。
また、部品の値段が高価であるため、そう気軽には交換できないという点である。

また、錠前部品の在庫がなかった場合には取り寄せにも時間がかかる。このため、早く鍵を交換したいお客さんには迷惑をかけてしまうことにもなる。
このような特殊錠であるため、希望通りの対応がしてもらえないかもしれないということを踏まえておく必要がある。

もしご家庭の引き戸がこれらのシリーズの製品であったら万が一のトラブルの時にどこの業者に頼むのがいいのか確認しておく必要がある。
鍵屋に連絡をするのがいいのか、家を建ててもらった工務店に相談するのがいいのか一度確認しておこう。

カバの鍵

鍵業界でカバといったら動物のカバではなくメーカーのことをさしている。
カバの鍵で特によく出回っているのが
ミラスター、カバスター、日本カバ、ミワカバあたりだろう。これらのディンプルキーは合鍵を作ってもらおうとしたら即日中に対応してもらえる。
大体一本につき30分から1時間ほどで作成してもらえるだろう。

ただし、カバ社の高性能ディンプルであるカバスターネオなどは不正複製を防ぐためのシステムがとられているので引き渡しまでに二週間ほどかかることもある。作成の際にはオリジナルキーだけではなくセキュリティカードも必要となるので注意が必要だ。

鍵屋で合鍵を作ってもらった場合には必ず正常に作動するかチェックをする必要がある。
きちんとした鍵屋なら数項目のチェックをしてからお客さんへの引き渡しを行っているはずだ。
それでも抜き差しできない、回らないといったトラブルが発生したら必ず作成してもらった合鍵屋に相談するよう。

また、合鍵の作成は郵送では対応してもらえない。かならず最寄りの鍵屋に直接持ち込むか、出張してもらって作成してもらわなくてはならない。
オリジナルキーだけではなく本人確認のための書類が必要となることもある。
合鍵を作りたいひとにとっては面倒と感じるかもしれないがそれだけセキュリティ上の障壁をおいている安全な鍵ということだ。